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メッキ通は分かる樹脂製品、金属製品の入り組みによるクロムメッキが入らない(のらない)理由

今回のお話は、樹脂部品や金属製品にクロムメッキ加工

しても形状によってメッキが入らない(のらない)場合を

ご説明させて頂きます。

以前、お話しさせて頂きましたが

メッキ加工には、大きく分けて湿式メッキ加工と

乾式メッキ加工があります。

因みに、メッキ塗装や銀鏡メッキはメッキ調塗装なので

クオリティが低すぎるのでここでのお話では致しません。

今回は最低限以上のクオリティが出るメッキ加工のお話と

させて頂きます。

見栄えと長持ちするクロムメッキ加工は電気メッキ加工です。

これは金属部品と樹脂部品共にそうです。

クオリティが高い分コストが掛るデメリットが御座います。

反対に電気メッキ加工よりも乾式メッキ加工は

見栄えのクオリティと長持ちのクオリティは

劣ります。

しかし、大量ロットで考えると1つ単価がお安くなる

メリットがあります。

この2つのメッキ加工は加工の仕方は違うとは言え

写真の様に入り組みが有ると下地処理がしにくく

しかもメッキが手前面よりも奥ばった箇所が薄くなります。

当社のメッキランク上メッキ加工、

所謂、最高級モーターショー用クロムメッキ加工で

行えばこの様な入り組みが有る製品にでもメッキが入りますが

電気の流れによってはメッキが入らない事も御座います。

湿式メッキ加工、乾式メッキ加工の施工方法は違うとは言っても

下地作業を終えて治具で部品を吊るしメッキ槽に入れるか

真空管の中に入れるかの差は御座いますが

入り組みようが激しい場合は共にメッキが入りにくいのです。

当社の電気メッキ用治具はプラチナ製で入り組んだ箇所に

メッキが入る様にタコの足の様なオリジナルの治具を使用

致します。

この治具以上の良い物は他には無いと思います。

それでも、場合によってはメッキが入らない事が

御座いますのでメッキを掛けたいオリジナル製品を製作される事が

有れば一度、当社にご相談される事をお勧め致します。

自動車でクロムメッキがギリギリ全体と入り組んだ箇所が

全て綺麗に入るのが現行レクサスのグリルです。

このグリルは大変入り組みが激しくメーカー様も

メッキ加工をされたい様ですが

大変手間が掛りコストが上がる上に大量生産出来ない事から

手を出されていない様です。

このレクサス純正グリルより格子状の入り組みが酷い場合

また、奥行きの厚みが有る場合はタコの足の様なプラチナ製

治具を使用したとしてもクロムメッキが入らないと

思います。

乾式メッキ加工は電気の流れ自体関係ないのですが

真空管の内部で行われているスパッタでも入り組みや

奥ばった箇所には物理的に入りません。

塗装の様に簡単にはいきません。