ブログ

ホンダバイク モンキーRの樹脂製フロントフェンダーにクロムメッキ加工 長崎県の個人様

この写真のパーツはホンダメーカー純正

フロントフェンダー部品で新品未使用品です。

パーツ裏面にアルファベットの刻印が打っていませんが

両端を持ってみると、グネグネに歪むので

恐らくゴム系樹脂だと思われます。

しかも、このパーツにはスチール製の取り付け用の

金具が付いておりどうも取り外しが

出来ない仕様になっている様です。

樹脂製品に最高級モーターショー用クロムメッキ加工を

施す上で金属部品も交じってしまっているパーツは

見栄えのクオリティが下がってしまう事が有る為に

この手のパーツは加工が難しいと言えます。

こう言う場合は、必ず工場長検品にて慎重に加工が

可能かどうかを査定致します。

加工が可能な場合は、このゴム系樹脂フロントフェンダー表面に

付着している油分や静電気によるホコリを取り除きます。

先程も、ご説明をさせて頂いた様に樹脂に付いている金属部品が

取れればオッケーなのですがこの場合取れないので工場長による

創意工夫が必要となります。

次に、このゴム系樹脂表面に下地修正と言う加工を施し

その表面を磨きます。

この状態では通電効果がフェンダー表面には無いので

無電解メッキ加工や導電性塗料を用います。

そうする事により、ハイクオリティのクロムメッキ加工の

電気メッキ加工を施す事が可能となる訳です。

樹脂の中でもABS製素材は薬品により置換と言う方法が

御座いますので、パチンコの枠などで見る樹脂製メッキ部品は

この置換による方法になります。

但し、自動車やバイク、トラックの製造メーカーの

電気メッキ加工によるABS製クロムメッキパーツは

パチンコ台の枠の様なメッキ方法では御座いません。

次に行う作業は銅メッキの槽にプラチナ製の

タコの足の様な治具と言う物をフェンダー裏手に

半田付けの様な感じで取り付けします。

今回のフェンダーの形状になりますと

端々迄電気を万遍なく通すために

この様な作業が二か所ほど必要となります。

この部品に対しての治具を取り付ける位置は

長年の経験のあるメッキ職人でなければこの作業は出来ません。

次にニッケルの槽に漬け込みますが当然いちいち取り付けた

治具を外したりせずに次に行うメッキ槽にいれます。

当然、次のメッキ槽に入れる前には違うメッキ液が

入らない様に純水で洗い流します。

次にクロムのメッキ槽に入れて完成になり純水で

クロム液(黄色)を流しますと皆さんが見る銀色の

クロムメッキ部品の誕生になります。

最後に部品とプラチナ製治具を取り外して出来上がりです。

仕上げ作業は続きますが・・・

旧車のモール(真鍮、アルミニウム、ステンレス、亜鉛ダイカスト)を再メッキ加工(リクローム)

今日のお話は旧車部品のレストアで必須となる

外装のモールメッキ部品を再メッキ加工(リクローム)によって

綺麗に甦らせる為の加工方法をご紹介させて頂きます。

上の写真、一番下はモールの生地自体が腐食が少ない為に

綺麗に見えますが

一番上の写真はピンホールの大きい痕、所謂、腐食痕が表れている

のが分かると思います。

その写真の上の方に、人の髪の毛が置いてあるので

腐食痕の大きさが何となくでもお分かりになると

思います。

因みに、今回の旧車用外装メッキモールの素材は

真鍮製です。

今から30年以上前の外装メッキモールの素材は

国産車、外国産車問わず、亜鉛ダイカスト製(アンチモニ)が

多く、続いて真鍮製、アルミニウム製、ステンレス製になります。

案外にスチール製のメッキモールは見ないです。

その理由は、恐らく錆びやすさが関係しているのではと

感じます。

このメッキモールは52年前の部品ですが

この年代からすると再メッキ加工(リクローム)を

一度はされているのではと想像できます。

もしされていないのであれば、

あまり走行されていない自動車で、走行したとしても

保管場所は間違えなく室内保管されているでしょう。

今回は、ブログをご覧の皆様に素材の劣化具合を

分かって頂きたかったので、

一度バフ研磨作業し軽めにメッキを付けて

元々の腐食痕が分かりやすく見える様に

写真を貼り付けさせて頂きました。

経年劣化した金属製メッキ部品を剥離致しますと

この様な腐食痕が表面に目立つように現れる事が

多いのですが、これをバフ研磨作業や板金加工により

見えない様に致します。

この様な大きな腐食痕ですがこれでもかなり

バフ研磨作業により大分マシになりました。

関西弁でよく使いますがえげつない位腐食痕が表れていました。

サンダーで削るとサンダーの刃痕がモール表面に出てしまうので

絶対にやってはいけない作業になりますので

業者様が良かれと思いされる方がいらっしゃいますが

絶対にやらない方が良いです。

この位の腐食痕ならば板金加工によって

修復可能なレベルでは御座いますが

長いモールで、しかももっと腐食痕が酷い場合は

当社のメッキランク上メッキ加工で行う

細かい粒子のアルミニウム製金属パテで

モール全体に表面補修作業を行う事で

完全に新品に甦る事が可能となります。

しかしながら、事故などでモール自体が歪んだり致しますと

表面補修作業だけでは完全に仕上がる事が難しくなります。

(歪みがマシな場合は修復が可能となる事も御座います。)