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自動車小物部品(エンジン小物部品、内装小物)にクロムメッキ加工  個人様

上の写真は自動車部品(エンジン小物部品、

内装小物部品)5種類の小物部品です。

鍵のキャッチ部分はトランクルームの開閉部分です。

この素材はボルトと本体、共にスチールです。

塗装は付いているものの錆は全く無い部品です。

他に部品は全てボンネット内部の

エンジンに装着する部品です。

これらも全てメーカー純正で新品未使用品

スチール製です。

この中でまずクロムメッキ加工を

施した事が無い部品が御座います。

それは小さな蓋の様な小物が写真に

写っているいると思います。

この蓋の内側だけをピカピカにして

欲しいと言うお客様からのご要望です。

スチール製の蓋みたいな部品は

アルミニウム製ダイカスト部品に

装着されている物で表からは

蓋の裏面だけが見える様です。

装着するされる側の

アルミニウム製ダイカスト部品は内部に

オイルが高圧で入っており、

このオイルが異常な高圧となってしまった時に

非常用としてこの皿部品が装着された個所から

飛び出る仕組みになっている様だそうです。

ボンネットを開けた時にタペットカバーから

まだ下段に有るアルミニウム製ダイカスト部品に

装着されているのでなかなか

見えにくい個所に有りました。

この内側をクロムメッキ加工となると

蓋部品内部を磨かなくてはいけません。

当然、磨かない場合はそれなりの綺麗さ。

磨ければ綺麗になる。

普通のバフ研磨ではこの様な小物の内部までは

磨けませんのでバフ職人がこの為だけに

しこうを凝らした物で磨く事に致します。

しかしながら7.5馬力のバフレースで

磨くまでは綺麗にはなりませんが・・・

少しでも蓋の内部を磨きお客様に

喜んで頂こうと言うバフ職人の心意気です。

この蓋の厄介な事はまだ御座います。

それは部品表面に電気を通すための

プラチナ製治具と言う道具を

掛ける箇所が無いと言う事です。

この様な場合は蓋の外側が見えないのであれば

その面にはんだ付けして治具と部品を固定致します。

そうする事により部品に電気を流す事が可能になります。

他の部品ですがねじ山に針金の様な物を巻きつけて

表面を磨いて電気を流しクロムメッキ加工致します。

大きいネジはねじ山にメッキがのるとネジが

入りにくいデメリットが御座いますので

その場合は養生してからメッキ加工致します。

残念ながらねじ山の高さが低すぎる場合は

養生できないのでそのままクロムメッキ加工を

致します。

因みに、普通はボルトやナット、ワッシャは

ユニクロメッキ加工を施されていますが

ねじ山にもしっかりとメッキがのっていますが

ボルトを締めてもすんなりと入って行くのは

メッキが薄いので大丈夫と言う事になります。

それだけクロムメッキ加工はユニクロメッキよりも

メッキ厚が有ると言う裏返しでもあります。

旧車パーツ亜鉛ダイカスト製(アンチモニ)ライト枠再メッキ加工完成品

この写真は旧車グロリアの亜鉛ダイカスト製

(アンチモニ)ライト枠左右です。

2か月ほど前にビフォーのご説明は

させて頂きましたので宜しければご覧ください。

昨日のフェアレディ(S30)通称30Z同様

この旧車グロリアも希少価値車で人気が御座います。

グロリアはプリンス自動車工業と日産自動車が

11代にわたってモデルチェンジした自動車です。

初代は1959年から11代目最終は2004年まで

販売されていた高級車で

それ以降、セドリックに統合されたようです。

セドリックも大人気車種でした。

上の写真に載っている旧車グロリアは

四代目で1971年後に誕生した自動車で

排気量は2600ccです。

この四代目グロリアの特徴は

自動車正面にあるグリル

このグリルに樹脂製のマスコットが左右と真ん中に

装着されています。

そして今回写真に貼り付けさせて頂いた

グロリア独特の亜鉛ダイカスト製ライト枠に

クロムメッキを施した高級感が抜群の

仕様となっておりました。

因みに、当時刑事ドラマの渡哲也が出演

石原軍団の大都会で活躍していた自動車が

日産グロリア四代目です。

45歳以上の方なら覚えていらっしゃると思います。

話を戻しまして、

この亜鉛ダイカスト製(アンチモニ)

ライト枠クロムメッキですが経年劣化している

亜鉛ダイカストクロムメッキに

再メッキは通常出来ません。

ではなぜ、写真の様に新品になっているのか?

もしや45年前の部品だけれども

日産に在庫がまだあるのか?

当然、メーカー在庫等ある訳が御座いません。

インターネットで探しても

まず純正の新品はないでしょう。

そうなると、亜鉛ダイカスト表面を補修した

再メッキ加工(リクローム)を施すしか術が御座いません。

写真掲載のビフォーをご覧いただきますと

亜鉛表面の独特の錆がライト枠表面に

出ているのがお分かりになるかと思います。

剥離後に亜鉛表面の生地を軽めにバフ研磨し

細かい粒子のアルミニウム製金属パテと

樹脂パテの混合物を亜鉛表面に肉盛りし

腐食痕や素材表面にあるピンホールを

埋めてしまいます。

この作業を施す事により経年劣化した生地が甦ります。

そして更に表面の生地を整える為に

メッキ用サフェーサー及びプライマー処理を

施す事により生地表面が新品になります。

プライマー表面に電気が通る様に

無電解メッキ加工、導電性塗料を使用し

ライト枠表面に通電効果が出る様に致します。

後は、当社のメッキランク中メッキ加工で

メッキを分厚く致します。

仕上げ作業に細かい粒子の研磨剤で丁寧に磨くと

写真の様にこんなに綺麗になります。

傷防止の為に塩化ビニルを貼り付けていますが

剥がすともっと綺麗に見えますよ。