船舶用ハンドル、スピードレバー、噴射口部品にメッキ加工
2019年07月01日
この部品は、船舶用のハンドルとスピードレバー、噴射口です。素材は全てアルミニウム製でご覧の様に腐食が表面に現れています。新品未使用品では御座いませんので、当然海の塩分等により腐食していると考えられます。今回、ご依頼して頂いたお客様はリピーター様ですが、以前は当社のメッキランク下メッキ仕上げでご依頼頂きました。今回はランクを一段階上げられての仕様となります。アルミニウム素材の腐食は表面が独特なブツブツが現れます。それから腐食が進むと青い錆が表れてきます。反対にスチール素材の部品である旧車のバンパーやバイクのマフラー等は、皆様がご存じの黒いブツブツや黒い錆の塊が出来たり致します。この錆の状態によって部品が何で出来ているかが分かったりもする訳です。スチールは磁石に近づけると引っ付くような反応をしますが、アルミニウム素材の場合は磁石を近づけても引っ付く等の反応は致しません。この事は、小学生中学年の理科の授業で皆さんも勉強された事と思います。スチール部品の場合、腐食痕や部品の歪み等にろうによる板金加工はさほど難しいものでは御座いませんが、アルミニウム素材の部品の場合、腐食痕や歪みなどの板金加工はかなりの技術が必要となります。その理由の一つにアルミニウムの素材は柔らかいところに難しさがあります。スチール素材の部品は堅く高温に強い性質があります。この違いがろう漬け板金が容易かどうかと言う理由になります。アルミニウム素材の部品で新品未使用品が手にはいらない希少価値が高い場合でお客様のご予算が有る場合は、当社のメッキランク上メッキ加工をお勧めさせて頂いております。この加工方法はアルミニウム素材の部品表面に付着している塗料や錆とめのアルマイト、メッキ等の不必要な付着物を剥離後、細かな粒子で出来ているアルミニウム製金属パテにより腐食痕やピンホールを埋めて表面の生地を新たな物にする画期的な方法です。この施工方法により、アルミニウム素材の腐食が酷く板金加工が出来ない状態の物等も綺麗にクロムメッキが仕上がる事が出来るのです。この方法は町のメッキ屋さんでは出来ません。加工賃はお高くなりますが、新品の状態を取り戻したいお客様は是非とも当社のメッキランク上メッキ加工か中メッキ加工を選択される事をお勧め致します。話を上の船舶部品のメッキ加工に戻しましてハンドルとスピードレバーは中メッキ加工で腐食は消えるレベルにあるかも分かりませんが、噴射口の錆の状態から考えますと上メッキ加工でなければ腐食痕は幾分、残る事が予想されます。これらの仕上がりの状態は各お客様の考え方によって違いが御座いますし、予算や納期にも影響が御座います。
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