46年前の経年劣化が酷いアルミニウム製グリルをメッキ加工
2019年07月19日
このパーツは昭和48年式のトラック用グリルで素材はアルミニウム製でご覧の様な経年劣化が酷い状態です。素材の厚みは約1ミリ強程でモールの両端を手で握り少しの力を加えるだけで曲がってしまう様な薄さです。しかも経年劣化で全体的に腐食しているので脆い状態、尚且つ各モール軽く歪んでいるのが分かります。この部品のオーナー様より綺麗な状態にしてほしいと言うご依頼を受けました。弊社でこの様な素材の状態で新品未使用品状態になる方法は歪み修正を行ってから、上メッキ加工を施すと完全に新品未使用品になります。当然、加工賃はかなりお高くはなってしまいますがこの部品が希少価値が有るのならば加工を施す価値は大きいと思います。それでは何故、この部品が歪み修正と上メッキ加工を施さなければ綺麗に仕上がらないかと言うご説明をさせて頂きます。まず初めに部品の歪みはバフ研磨作業やメッキの厚みで元の状態に戻らないので、必ず熟練職人による歪み修正を施さなければいけないと言う物理的要因になります。2つ目はスチール素材の部品の表面に経年劣化が酷い場合でもろうによる板金加工が可能である割合が高いですが、アルミニウム素材に板金加工は中々綺麗にならない事と、今回のグリルモールの様に厚みがかなり薄い場合は更にろうによる板金加工が難しくなる為に見栄えのクオリティが追求出来ない事が御座います。この様な場合には弊社の上メッキ加工により薄くアルミニウムの様に板金加工がしにくい物にはもってこいの加工方法になります。その加工方法は通常ろうによる素材にかなりの熱が掛ってしまう方法では無くて経年劣化が酷い状態の箇所に細かな粒子のアルミニウム製金属パテを使用し表面を綺麗に作り直す方法を行います。この方法のメリットは、様々な素材に対応できる他、よっぽど部品に大きな穴が開いていない限り施工後、新品未使用品になると言う事にあります。このアルミニウム製金属パテで経年劣化がした表面を表面補修してからバフで磨き、更に表面の生地を整える為にメッキ用プライマー処理を施す事によりメッキ完成後、より錆びにくくなる方法を用います。この様な作業を行う事で新品未使用品の仕上がりに錆びにくさの付加価値を付けますのでお客様に満足して頂ける様な部品に仕上がる事が出来ます。
カテゴリ:ブログ