7年前のハーレー純正スイングアームに分厚いメッキ加工
2020年01月27日
上の写真は7年前のハーレー純正スイングアームです。ご覧の様に黒色の塗装が施されていて素材はスチール製、重さは8キログラム程度です。各種のバイクスイングアームとしては重さが有る物と言えます。鹿児島県の業者様からのご依頼ですが弊社メッキランク分厚いメッキ仕上げ(中ランク)加工で行います。スイングアームの多くはアルミニウムを用いている事が多く現行車としてはスチールを用いているのは最近少なくなっております。この素材表面を見ると錆等は全く御座いませんがハーレーダビッドソン社はこれに対して装飾クロムメッキ加工を施して販売する想定で作っていませんのでスチールパイプの肉厚はかなり分厚いのですが表面が鋳物肌になっている為に鏡面バフ仕上げがかなり難しい事になります。次にパイプ製品にメッキを施す場合に必ず必要となる水抜き穴が御座いませんので見えないか所にドリルで穴を開ける必要性が御座います。それではスチール製スイングアームに分厚いメッキ仕上げの加工方法をご紹介させて頂きます。1番目は黒色塗装剥離を致します。注意すべき点は入り組んだ個所が剥離しきれない事があればその箇所にだけメッキが付かないので製品の全ての個所に塗料等が付着していないかを検品しながら作業を行います。2番目に上記でご説明させて頂きました水抜き穴を数か所目立たないか所に穴を開ける為にドリルを使います。3番目にバフ研磨を行いますがスイングアームの外側は外観からよく見えます。見える部分は特に磨けば磨くほど綺麗にメッキ完成品時には綺麗になりますが内側はタイヤなどであまり見えないか所でもあります。この内側はバフが当たり難いところでも御座います。出来る限りルーター等を使用して磨いていきますがパワーが足りない為に表面よりも見栄えが少し悪くなる事も素材や形状によって御座います。180番手から徐々に上げて行って最終番手は420番です。(顔が見える程度)4番目に銅メッキ加工を施しますがこの目的は素材表面にあるピンホールを埋める為に行う作業となります。(2回目のバフ磨きで銅の粉を用いてピンホールを埋める)5番目はニッケル仕上げと言いましてパーツが腐食しにくくする目的と次に行うクロムが密着しやすい目的でこの作業を行います。6番目はクロムのメッキ槽に漬け込んであのピカピカの光沢がある装飾クロムメッキ仕上げのスイングアームの完成となります。この様に綺麗にする為には様々な工程があります。
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