再メッキ加工を30Z40数年前の純正樹脂メッキミラーカバーに施す
2019年11月02日
今回の再メッキ加工は40数年前の30Z純正樹脂製メッキミラー左右を綺麗にして欲しいと言う業者様からのご依頼です。この30Zは皆様もご承知の通り、旧車の愛好家の皆様に人気のある自動車で、近年海外、特にアメリカでは絶大な人気で取引価格もかなり高い様です。元々値段が高かったのに海外での取引価格の上昇から更に、日本の取引価格もグーンとお高くなっている様です。数少ない30Zやハコスカ、ケンメリ、豚ケツローレルや日本の旧車が海外で高値取引されている事をよく聞きます。日本国内の希少価値車も海外に流れていくので、更に国内の台数も少なくなっていると業者様からお聞きする事が多いです。今回の30Zやサニー等は亜鉛ダイカスト(アンチモニ)を採用せずにABS樹脂を使用しております。弊社のブログを何時もチェックして頂いている方ならご承知だと思いますが、旧車の多くに採用されている亜鉛ダイカスト(アンチモニ)ミラー部品には弊社の上メッキ加工を施せば綺麗に再メッキが出来ますが、経年劣化した樹脂に対してのメッキ加工は大変に難しいと言う事。金属の素材にもよりますが再メッキ加工が一番難しい亜鉛ダイカストでも表面補修を行えば綺麗な完成品が誕生いたします。しかしABS製樹脂等の樹脂製部品は、そもそも石油製なので素材自体が金属と比べると弱く、その上年数が経つと素材自体の伸縮性が無くなり、酸やアルカリなどの薬品に触れると素材表面にヒビが入ったり、酷い場合は割れてしまう事があります。この事から経年劣化した樹脂に対しての再メッキ加工は大変に難しいと言う理由になります。それに増して樹脂の肉厚が薄ければ薄い程、割れる確率が高くなります。一つの例で言えば30Z純正樹脂メッキウインカーカバーに再メッキ加工は概ね不可となります。その理由は素材の薄さに御座います。ウインカーの肉厚は約1.5ミリ程。ミラーカバーの肉厚は薄うカ所で2.5ミリ程度、金属であるならば全く問題御座いませんが、樹脂はそうはいきません。当然、弊社は樹脂製部品のほぼ全てのメーカー純正新品未使用品であればメッキ加工は可能だと思います。それでは40数年前の30Z純正樹脂製メッキミラーカバーをさいめっきかこうする工程をご説明させて頂きます。何よりまずは経年劣化樹脂表面に付着しているメッキと青錆を剥離剤によって取り除かなくてはいけません。その前にミラーカバーの見えない個所に対して薬品耐性があるかを調べます。検査に合格すると次に行う作業が剥離です。経年劣化製樹脂部品の表面には少なくともまるで蜘蛛の巣の様なヒビが表れます。これを細かな粒子のアルミニウム製金属パテで覆い隠します。そしてプライマー処理を施す事により傷んだ表面を修復させる事が可能です。次にプライマー表面に通電効果が出る様に導電塗料で細工を施します。後は弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)になります。銅メッキ加工、ピンホールを埋めるためのバフ研磨作業、2回目の銅メッキ加工、ニッケルを分厚めに、クロムメッキ加工を行えば完成品となります。この時の部品の見栄えは新品未使用品になります。この加工方法の完成品は最高級モーターショー用クロムメッキ仕上げで見栄えと長持ちのクオリティはどの部品よりも一番良い物になります。
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