クオンコーナー樹脂製パネルクロムメッキ加工
2019年11月12日
日産UDトラックの大型トラック用純正コーナーパネルを最高級モーターショー用クロムメッキ加工した表面と裏面を掲載させて頂きました。この部品はメーカー純正クロムメッキ仕上げは御座いませんのでお客様から新品未使用品を送っていて頂いてこの様に綺麗に仕上げさせて頂きました。この部品の素材はポリプロピレン製樹脂で表面にはシボと言うザラザラした感じで出来ています。通常、自動車やバイク、トラック等のモーター関連純正メッキ部品や外品は100%と言って良い程、樹脂素材はABS製です。と言う事で今回の日産UD大型トラッククオンのポリプロピレン製部品にメッキ仕上げのオプションが無いのはその様な意味合いが御座います。それでは何故、メーカー様にはABS製部品にはメッキ部品のオプションが有って、他の樹脂部品にはメッキ仕上げのオプションが無いのかを少しながらご説明をさせて頂きます。度々、このブログでご説明させて頂いております様にメッキ加工には湿式メッキと乾式メッキの施工方法が御座います。弊社は湿式メッキに特化しております。ABSはこの2種類のメッキ方法に相性が良いと言う特徴が御座います。他の樹脂にはABSの様に相性が良く有りません。一言で言えば水と油の関係性です。最近は乾式メッキでも技術の進歩で他の樹脂素材にもメッキ加工が可能になっております。しかしながら、メッキ加工するにあたってメーカー様や外品メーカー様はコストと言う事を大前提で企画されて生産されます。コストパフォーマンスが悪い、しかも手間がかかり納期が遅くなる様な樹脂素材にメッキ仕上げのオプション品を企画する事は無いと思います。その為に大手モーター関連メーカー様はABS以外の樹脂素材にメッキ仕上げのオプション品を生産しないと言う理由です。反対に言えば大量生産されている自動車やバイク、トラック等の愛車にABSクロムメッキ仕上げのオプション以外にメッキ加工を施していると間違いなくインパクト絶大です。何故なら、世の中には存在しないクロムメッキ部品が誕生するのですからオリジナル製品です。町で同じ車種が走行していたり、駐車しているのを見かけたりするとオッとビックリしてしまう事でしょう。優越感に浸れます。それではABS製品以外のメッキ加工方法をご紹介させて頂きます。今回のポリプロピレン製樹脂を用いてお話しさせて頂きますと、メーカー純正新品未使用品を購入して頂きます。次に弊社にご発送して頂きお見積りと納期のご商談をさせて頂きます。お客様から加工の許可を頂くと次に工場に於いてポリプロピレン製部品を脱脂致します。この作業は人の手で触れた油分やホコリなどのメッキ加工を行う上で必須となる大切な工程です。この作業を怠るとメッキが浮いて来たり剥がれたり致します。次にポリプロピレン表面に粒々、シボを消す為に表面補修と言う作業を行います。この作業を施す事によりシボが消されツルツルの表面に仕上がります。そして導電塗料で通電するように致します。次に上の写真に貼り付けさせて頂いています裏面の取り付けステー部分にはメッキがかからない様に養生致します。この作業の意味はステー部分にメッキがのると取り付け出来ない事になるからです。要するに分厚くなるのではめ込みが出来ないと言う事です。そして銅メッキ加工を施してバフ研磨、2回目の銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工、クロムメッキ加工、仕上げに粒子の細かな研磨剤で表面を磨きます。ふき取り作業を行い、完成品に傷やホコリが付かない様に上の写真の様に塩化ビニールで保護致します。
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